この旅の目的は最初はドジャースタジアムでした。
でも、今思い出しても胸が熱くなるのは、間違いなくリグレー・フィールドなんです。
初めてのシカゴの電車。ドキドキしながら球場へ
リグレー・フィールドでは観戦を2日間組みました。球場までは電車を初体験。アメリカの公共交通機関の治安の不安もあり、ドキドキしながら地下鉄への階段を降りていきます。
あれ?意外に普通でした。メジャーリーグ観戦には必須と聞いていた、中身が見えるクリアバックを握りしめるように緊張した顔つきの日本人は現地の人にはどう映っていたのかな。
切符を買うのに必要だと聞いていたVentra(ヴェントラ)カード。事前にシミュレーションしていたのに、券売機を前にするとうまくいかない。四苦八苦していると、どこからか男性が横に立ち、買い方を教えてくれました。

Thank you!と返したところ「お腹が減っているんだ」と言い、何かを要求しているようでした。そういうことだったのか。すでに改札を抜けていたのでその場を去りましたが、それで良かったのかな。
後で知ったのですが、タッチ決済のカードでも改札を通ることができました。
乗り込んだ車内はCubsファンでぎっしり。Cubsのキャップやユニフォームを着た家族連れも多く
車内から既に球場の雰囲気が伝わってきます。
緊張しながら乗車していた私達は拍子抜けでした。拍子抜けしながらもリグレーの最寄駅に到着。
駅から球場までCubsグッズの露天が両脇にぎっしり。これも日本にはない風景ですね。

住宅街に佇む、100年超えの球場

最寄りはアディソン駅。駅を出たらもう球場でびっくりした!

リグレー・フィールドの住所は「1060 W Addison St」。実はこれ、映画『ブルース・ブラザース』で主人公が偽の住所として運転免許証に書いた場所として有名なんです。地元では鉄板ネタなんですよ

えー! そんなかっこいいネタがあるの!? 知ってから行けばよかった…!
リグレー・フィールドの住所は1060 W Addison St。1980年の映画『ブルース・ブラザース』で、主人公ジェイクが免許証に記した住所がこれで、その結果ナチスの一団が球場に押しかける——というシーンが今も語り継がれています。
最寄り駅はCTAレッドラインの Addison(アディソン)駅。改札を出るとすぐ球場という近さです。ただしシカゴには「Addison」という駅がレッドライン・ブルーライン・ブラウンラインの3つあり、球場に行けるのはレッドラインだけ。乗る前に路線の確認を!

リグレー・フィールドは古い歴史のある球場。外観は緑を主体にした鉄骨の通路が印象的です。住宅街にあり時間にゆとりを持って到着していた私達は、ゆっくりと球場の外周を一周しました。

球場散策はアメリカの街並みを感じることができて旅感満喫。
この球場にはいくつかの歴史を感じるエピソードがあります。
その一つがこのビル。なんと球場の外のビルに観戦できるテラスがあるんです。

2つ目のエピソードはこちらのハンバーガーショップ ビリーゴート
今も健在でした。古き良きアメリカの野球文化が目に浮かぶようなエピソード。
大ヒットした映画 back to the future でも揶揄する会話があるそうです。
いつか映画をゆっくり見返してみようと思いました。

そして3つ目は球場の正面に堂々と設置された名物アナウンサーの銅像
どんな実況だったのでしょう。聞いてみたかった!


この球場、どこを見てもエピソードだらけ! 屋上のテラス、ビリーゴート、そして銅像。それぞれどんな話があるの?

どれもリグレーの名物です。屋上テラスは「タダ見」から始まった公式ビジネス、ビリーゴートは108年続いた呪いの発祥の店、銅像は7回の大合唱を生んだ伝説のアナウンサー。順番にご説明しますね

知らずに歩いてた…! 全部聞きたい!
① 屋上のテラス(リグレー・ルーフトップス)
球場のフェンスが低いため、向かいのアパートの屋上から試合が見えてしまいます。最初は住民が無料で観戦していたのが、やがて本格的な客席を作ってチケットを売り始め、球団が「商品を盗んでいる」と提訴。2004年の和解で売上の一部を球団に支払う公式ビジネスになりました。
② ビリーゴート(ヤギの呪い)
1945年のワールドシリーズ、酒場の主人がペットのヤギを連れて来場したところ「臭い」と退場させられ、激怒して「カブスはもう勝てない」と言い残しました。そこからカブスは71年間ワールドシリーズに出場できず、ようやく2016年に108年ぶりの世界一を達成して呪いは解けたと言われています。
この呪い、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』にも登場します。1989年の作品で「2015年にカブスが優勝する」というありえないジョークとして描かれたのに、実際に翌2016年に優勝してしまい、アメリカ中で大騒ぎになりました。
③ ハリー・キャレイの銅像
1982年から1997年までカブスの実況を務めた名物アナウンサー。7回に放送席の窓を開けて身を乗り出し、「Take Me Out to the Ball Game」を指揮したのが名物になりました。1998年に亡くなった後もこの伝統は続き、今では毎試合ゲストが登場して合唱を指揮します。
球場オープンは2時間前のようでしたが、17時半近くになってもゲートが開かず、入場口には列ができていました。この辺りも日本とは違います。時間きっちりの感覚は、日本ならではなのかもしれません。


入場して目に入ってきたのは名物の深い緑の外野フェンス。
そしてアナログのスコアボード

私はオールドアメリカの世界に入り込んだ!
なんて素敵な球場なんでしょう
と思いつつ通路を見るとまだ試合が始まってないのにピーナッツの殻が散乱してます。
メジャーリーグの売り子さんは皆、ガタイの良い年季の入ったおじさま。
ピーナッツ!と叫びながらどでかい袋のピーナッツを売り歩いています。
掃除も追いついてないのに売るのね?楽しくなっちゃう。

試合が始まる前から、通路にピーナッツの殻が散乱してるんだけど…!

それ、実は公認の文化なんです。アメリカの球場では、ピーナッツの殻を足元に落としながら食べるのが昔からの習慣。行儀が悪いのではなく「そういうもの」として、試合後にまとめて清掃するんですよ

えっ、捨てていいの!? それはそれで楽しそう
野球観戦とピーナッツはアメリカで100年以上続く名物の組み合わせ。7回に歌う「Take Me Out to the Ball Game」の歌詞にも「Buy me some peanuts and Cracker Jack」という一節が登場するほどです。
殻を床に落とすのは球場公認のスタイル。清掃スタッフが試合後に一気に片づける前提の運用になっています。日本の球場では絶対にできない体験ですね。
Go Cubs Go! 球場が一つになった瞬間
試合が始まると球場内の雰囲気もボルテージが上がります。
チームのチャンスのたび、皆で立ち上がり手拍子や大声援。なんて熱狂なんでしょう。
気がつけば私もその1人になっていました。
迎えた9回 盛り上がりは最高潮。そしてCubsの勝利!
これも名物、Wのフラッグを掲げたマスコットがグラウンドを駆け巡り

球場内はGo Cubs go!の大合唱!!
震えた!

あのWのフラッグと「Go Cubs Go」の大合唱、鳥肌が立った! あれって毎試合やってるの?

いいえ、カブスが勝った試合の後だけなんです。Wのフラッグも勝利(Win)の印で、負けた日には掲げられません。malamaさんが見たのは、勝った日だけの特別な光景だったんですよ

えっ、勝った日限定だったの!? ますます忘れられない…!
「Go Cubs Go」は1984年に作られたカブスの応援歌。ホームゲームで勝った時だけ試合後に流れ、球場全体で大合唱するのがリグレー・フィールドの伝統です。
白地に青い「W」のフラッグは Win(勝利)の意味。「Fly the W」と呼ばれ、勝った日はスコアボードに掲揚され、街のあちこちでも掲げられます。負けた日は青地に白の「L」の旗になるんですよ。
つまりmalamaさんが体験したのは、勝った日にしか味わえない光景。旅の運が味方してくれましたね。
球場を出る頃には、私はもうCubsファンになっていました。
今も遠い日本から、毎日の試合結果が気になっています。
また綴っていきます。malama
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